これは、私の着物人生の中でも一生忘れない1日でした。 まずは、ほんの一瞬のシーンですが…おばあちゃんの「初めて自分の着物姿を見た瞬間」をどうぞ。 🎥 その瞬間のショート動画はこちら → YouTube Shorts なぜこの日、おばあちゃんは着物を着たのか おばあちゃんは92歳。認知症が少し進み始めていて、日によって会話がはっきりする日もあれば、曖昧になる日もありました。 この日、おばあちゃんが着物を着た理由は——大好きな孫の結婚式に参加するため。 家族はこう考えていました。 その判断は、奇跡のようにちょうどいいタイミングでした。 家族の中で、おばあちゃん“だけ”が日本語 お孫さん夫婦も、他のご家族も全員英語。おばあちゃんだけが日本語を話します。 だから私は着付けに入った瞬間から、ずっとおばあちゃんと日本語でお話ししていました。 その会話が、あまりにも優しくて、深くて、切なくて…。 おばあちゃんが語ってくれたこと 着付けをしながら、おばあちゃんはこんな話をしてくれました。 おばあちゃんはゆっくり丁寧に、時々迷いながら、でも心の奥から言葉を出してくれました。 その内容を後でご家族に英語でシェアすると、家族みんなが静かに涙ぐんでいました。 ”もうひとつの願い” 会話の途中で、おばあちゃんは突然こんなことを言いました。 「もうひとり孫がいるやろ? きっとあの子が花嫁の着物姿を着て見せてくれるやろうから、それが楽しみなんよ。」 胸がぎゅっと締めつけられました。 実はその“もうひとりの孫”というのは、この日まさに結婚式を迎えたお孫さん本人のことだったのです。 記憶が揺れる瞬間がありながらも、その言葉の奥にあったのはたったひとつ。 「孫の花嫁着物姿が見たい」 という純粋で温かい願いでした。 その言葉を、私は後でお孫さん(花嫁)に伝えました。 結婚式が終わったあと、お孫さんから連絡がきました。 「おばあちゃんと一緒に、着物で写真を撮りたいです。」 その瞬間、私は思いました。 ——おばあちゃんが望んでいたのは“花嫁の着物姿”。それなら絶対に白無垢がいい。 提案すると、お孫さんはすごく嬉しそうに「ぜひ撮りたいです!」と返してくれました。 しかしその後、ご夫婦は新居のリノベーションに入ることになり、撮影は “少し先でもいいか” という流れに なりました。 しかし —— あと一歩、間に合わなかった 数ヶ月が経ち、ようやく撮影できるタイミングが来た、その時。 おばあちゃんが転んでしまい、顔を強く打って入院。 そこから体調はゆっくりと崩れていき、そのわずか1ヶ月後——静かに眠るように、旅立たれました。 後で家族から聞いた話。 おばあちゃんの体には何十年も前から癌が広がっていて、92歳まで元気で生きていたこと自体が奇跡だったそうです。 そして——お孫さんが望んでいた 「おばあちゃんと2人で着物姿を残す」 という願いは、叶わないままになってしまいました。 おばあちゃんは、孫の結婚式の日に初めて着物を着た。 あれが、最初で最後の、奇跡の着物姿でした。 最後に読者へ — メッセージ […]

それでも忘れられない、家族の物語になった日 成人式は人生の節目。 だけどこの日は、ちょっとだけ“ドラマ”が起きました。 翌日の撮影に向けて、前日の夜に息子さんは家族にこう言いました。 「ちゃんと朝には帰ってくるから!」 ……が! 朝になっても部屋にいない。電話も出ない。 まさかの 行方不明。 家族の中で一気に捜索モードに切り替わる。 「昨日は誰と会ってた?」 「ブライアンじゃない?」 お父さんはそのまま 車飛ばしてブライアンの家へGO。 だけど いない。 その瞬間、妹さんが静かに言う。 「あいつ……多分だけど……飲んで寝てると、何も聞こえないタイプ」 (家族全員:えーーー😱) そして真相は—— 友だちの家で飲んで、そのまま爆睡して全く起きなかった。 家族からの鬼のような電話にも気づかず、 世界が終わっても起きないレベルで寝ていたのでした(笑) だけど、この日の主役は“家族の想い”だった 私は現場で家族の空気を見ていて、 この一言に尽きると思った。 怒るでもなく、責めるでもなく、 “せっかく来たんだから、楽しもう”と前を向く家族。 お母さんの優しさ。 お父さんの静かな落ち着き。 妹さんのあたたかいフォロー。 そして—— おばあちゃんの愛がすごすぎた このおばあちゃん、実は 日本からおひとりでロサンゼルスへ。 英語も話せないのに、 あの LAX の恐怖の入国審査 を1人で突破して来てくれた。 もう ラストサムライかと思った。 「孫の成人式を見たい」 その想いひとつで海を越えて来てくれたんだよ。 写真に写るおばあちゃんの姿は、 本当に誇らしげで、あたたかくて、 私は胸がぎゅっとした。 実は息子さん、めちゃくちゃいい子 ここまで読んで 「この子どんなヤンキーやねん😂」 って思った人いるでしょ? ……違うんだよ。 合わせの日(着物試着の日)、 彼は本当に礼儀正しくて、気さくで話しやすくて。 しかも 車好き。走り好き。 ここで私と熱く盛り上がった。 (実は私、20代の頃は日本で夜な夜なドリフトしてたんだ。笑) だから彼が当日来れなかった時は、 「わかる……若いときって走る方向に夢中になるよね……」 ってちょっと昔の自分を思い出して笑ってしまった。 最後に、家族の愛が写真を輝かせる 成人式の写真撮影は、 主役が来なくても成立するものじゃない。 だけどこの日は、 “家族が揃って祝おうとした気持ち” が主役だった。 おばあちゃん、 お父さんお母さん、 妹さん。 全員がその時その場所で見せた表情が、 とても美しかった。 私はこういう「家族の物語」を残せることが、 ほんとうに嬉しい。 🎥 この日のショート動画はこちら YouTube […]
